♪とある国のとある街。蒸気によって人々の生活が支えられている時代。
「法で禁止されているはずのホムンクルス=人造人間を作り出す」
「マスターおはようございます。ご命令をお聞かせください」
「ドライだなあ。そうだ握手をしよう。人間の挨拶だよ」
「けど、ありがとうございます。今回、めちゃくちゃ助けてもらって」
「ワタシ何もしてないネ。ずっとツヅルとふざけてたいだけダヨ」
♪ルークはとても楽しそうで、Sも…楽しかった、のかもしれない
「だがこのままでいいはずがないだろう、馬鹿弟子め」
♪ホムンクルスは国法で禁止されている。あの人形は今すぐ廃棄しろ
「やれやれ。お前には錬金術より友達の作り方でも教えるべきだったな」
「そんなことはさせない! それよりS、しばらくは外に出るのはよそう」
国法警備隊長アルフの耳にSの情報が届いてしまった」
「蒸気だけの爆弾か。これだから錬金術師は。追え! 必ず見つけ出せ!」
「逃げる?法律から逃げてはマスターが罪人になります」
「諦めろ。機械人形と人間を同列に扱うのは人の傲慢だ」
「それは違います! 先生の顔は明るくなりました。Sが友達だからです!」
「友達ごっこだろう。紛い物の友情はここで終わりだ」
「一緒に万里くんや左京さんに特訓してもらったんです」
「友達に護身術習ってたから、それが役に立ったネー」
「綴くんの本に応えられるように、みんなで絶対繋ぎます!」
「問題ありません。私のここにはネジと歯車しかありませんから」
「また倒せばいい。このままではSが止まってしまうんだ」
「今機能が停止したら、起動してからの記憶が消えるんだよ!」
「何を言ってるんだ。そんなことをしたら君は壊れてしまう」
「私が動かなくなれば、マスターはもう追われません」
私の心が言っています。動けなくなっても、私はずっとルークの友達です」
「ルークに、外して欲しいんです。他の誰かじゃなくて」
「人間の勝手で生み出されて、壊されるなんて、ひどすぎるじゃないか」
「あの、見逃してもらえませんか? 先生は、その…!」
「動かぬ発明品を持ち帰るほど暇じゃないんだ。失礼」
「もうすっかりいいみたいです。今朝も散歩にでかけました」
「あの引きこもりが散歩に? 何かの間違いじゃないのか?」
「あれ以来、先生は随分変わられたんです。まさに青天の霹靂ですよ!」
「ほうねじまきか。趣味の悪いネックレスしてるな馬鹿弟子」