「お父さん……。うぅ……。お父さぁん…………。」
爸爸……。呜呜……。爸爸……。
「あんな人のために泣かなくていい。」
别为这种人流眼泪了。
「死んでせいせいしたくらいよ。」
他死了我还觉得挺痛快的。
「姉さん!なんてこと言うの!」
姐姐!你这是什么话!
「あの人が一度でも父親らしいことをしたことがあった?」
他可曾做过一件符合他父亲身份的事情?
「私たちのことはまるで無視して、遊び歩いては母さんを泣かせたじゃない!」
根本完全无视我们,整天在外面鬼混,总是把妈妈气哭!
「でも……、昔は優しかったでしょう?」
但……,他以前也没那么坏吧?
「確かに会社が成功してからお父さんはおかしくなってしまったけど……。」
的确,自从公司取得成功,爸爸就愈发变得奇怪了……。
「あの人の取り柄はお金だけだったわ。」
他除了会赚钱,就没别的优点了。
「そんなのひどいよ姉さん……。」
姐姐你说得好过分啊……。
「……さあ、私たちもお金の話をしましょう。」
……那么,我们也该谈点跟钱有关的事情了。
「これがあの人が残した遺書よ。」
这就是他留下来的遗嘱。
「遺産の分配についてでしょうね。」
写的应该是如何分配遗产。
「遺産なんて……そんなもの私は……。」
遗产……这东西我才……。
「いいからもらっておきなさい。」
行了,你就收下吧。
「慰謝料みたいなものよ。」
当它是精神损失费就好了。
「……でも、あの人のことだから下手すると隠し子が何人もいるかもしれない。」
……不过,看他那死样子,搞不好在外头还有好几个私生子呢。
「私たちですんなり二等分できるといいんだけど……。」
要是我们两个能顺利平分遗产的话倒还好……。
「封筒を切るハサミを取ってくる。」
我去拿把剪刀把信封剪开。
「……ふふふ、バカな姉さん。」
……呵呵呵,姐姐真笨呐。
「お父さんにあんなに反抗的だった姉さんと
你总是跟老爹作对,
ずっと良い子ちゃんを演じていた私が二等分なわけないじゃない。」
反观我,一直在扮演乖乖女的角色,我们两个怎么可能平分遗产呢?
「お父さんはきっと私の方にたっぷり残してくれるはず。」
老爹分给我的部分肯定要多得多啦。
「それに……、隠し子ですって?」
另外……,你刚才说到私生子?
「今更何を言ってるんだか。」
事到如今了还在开什么玩笑呢。
「確かに何人もいたけど、……不思議ね。」
确实是有好几个,……不过真是神奇。
「揃いも揃って悲しい事故に遭っているなんて……。」
有一个算一个,都遭遇了极其悲惨的事故而……。
「お待たせ。じゃあ開けましょうか。」
久等了。现在就打开吧。
『私の死後、私の財産は下記に定めた通り分配する。
“我死后,名下登记的财产根据以下规则进行分配。
長女、私が所有する全財産。以上』
长女,分得我持有的全部财产。完”
「……隠し子、いなかったのね。」
……私生子,好像是没有呢。
「必死ね。あなたさっき、『遺産なんて』って言ってたじゃない。」
这么拼命啊。可刚才你不是还说“遗产这东西……”吗?
「あっ!で、でも、いくらなんでも何もないのはひどいよ。」
啊!但,但是,不管怎样,一分钱都不给也太不讲人情了。
「私のことはどこに……。」
我分到多少遗产,在哪里写着呢……。
「あっていいの!ほらココ!えっと……」
你有意见?就在这里!看看……
『長女は相続した財産で次女にワ◯ビーフ[1]を4袋買ってやること』 「はぁ!?ワ◯ビーフ!?安いにも程があるでしょ!」
哈!?“芥末牛肉”!?抠门也得有个度啊!
「素直に従いましょうよ。」
他怎么写的,你就怎么做呗。
「お父さんの全財産って、60億くらいあるんだよ?」
老爹的全部财产,得有个60亿吧!
「一人で受け継ぐには大きすぎるんじゃない?」
你一个人全部继承,那也太多了吧?
「半分でも莫大なお金だよ?」
就算只有一半,那也是很大一笔钱哦?
「え?……あなた、半分取りに来てない?」
诶?……那你是要拿走一半咯?
「興味なさそうだったのに。」
虽然一开始表现得不感兴趣的样子。
「だ、だって、お父さんを嫌っていた姉さんが相続するのは納得いかないし……。」
那,那是因为,那么讨厌爸爸的姐姐,却继承了全部遗产,我不能接受……。
「昔父さんと遊園地に行った時のこと……」
以前,我们和爸爸一起去游乐园的时候……
「急にそっちのスタンス取らないでよ!」
不要突然态度180度大转弯啊!
「さっき『父親らしいことしてくれなかった』って言ってたじゃん!」
刚才不是还在痛批“他可曾做过一件符合他父亲身份的事情”吗!
「本当に惜しい人を亡くしたわね……。」
我们失去了一个非常牵挂的人……。
「私は姉さんと違って会社も手伝ってたのに!」
我跟姐姐不一样,可是帮过公司的忙的!
「そういえばあなたは会社を受け継ぐんだから別に遺産なんかなくても困らないじゃない。」
这么说来,既然你继承了公司,那分不到遗产,也不会给你造成什么问题吧。
「遺産の大部分は会社の株なの!」
大部分遗产都是公司的股份!
「……ってことは会社も姉さんのものってことに……。」
……这样一来公司就会变成姐姐的……
「よ〜し、私に逆らったらクビね♡」
这下好啦~谁敢违抗我就炒谁的鱿鱼♡
「この遺書はちゃんと専門家に依頼して作ってあるんだから。」
这份遗嘱是委托专业人士写的。
「今までの努力が水の泡だ……。」
至今为止的努力,全都白费了……。
「ワ◯ビーフはいらない!」
我才不要“芥末牛肉”呢!
「ああもう!遺書もう一回見せて!」
啊啊真是的!再让我看一遍遗嘱!
「めちゃくちゃ必死じゃん……。」
你也太拼命了……。
「……姉さん、遺書にはこう書いてあるね。」
姐姐你看,遗嘱上是这么写的。
「『私が所有する全財産』……って。」
“我所持有的全部财产”。
「棺の中の父さんを見たでしょ?」
你再看看棺材里的老爹。
「…‥お父さんは、手ぶらだった!」
老爹现在两手空空哦!
「いや、所有ってそういうことじゃないでしょ!?」
不是,“持有”不是你想的那个意思啊!
「棺の中では人は大体手ぶらだよ!」
躺在棺材里的人,基本上都是空手的啦!
「パンツくらいは履いてるでしょ!」
他还穿着内裤呢!
「死体からパンツ剥ぎとれっての!?」
你要把他的内裤脱下来!?
「この遺書ではパンツ以外の財産については指定されていないことになる!」
这份遗嘱并没有指定内裤以外的财产!
「なら他の財産は二等分が妥当!」
所以其他财产平分是最妥当的处理方法!
「パンツは姉さんが独り占めしていいから!」
内裤由姐姐独占就行了!
「妥当じゃない!パンツもいらない!」
根本一点都不妥当!内裤我也不要了!
「これ以上グダグダ言うなら本当にクビにするよ!?」
再这样瞎逼逼,信不信我真把你开除了!?
「私はクビになったって構わないもん。」
行啊,想开除我的话我没意见。
「あの会社は私でもっていたようなものなの。」
那间公司,几乎就是靠我来支撑的。
「どうしてお父さんの会社が急成長したかわかる?」
为什么爸爸的公司会在短时间内成长得如此之快?
「……私が邪魔者を消してきたからよ!」
……因为我把碍事的人都清除掉了!
「まさかそこまで怖いとは……!」
没想到你这人竟恐怖如斯……!
「私がいなくなれば会社の株価は確実に暴落するよ。」
一旦我不在公司任职了,股价百分百会暴跌的哦。
「姉さんが相続する遺産はただの負の遺産になるでしょうね。」
到那时,姐姐继承到的遗产,就只是一坨负资产了。
「あの手この手を使ってくる……!」
使出那么多的手段……!
「あんなに良い子だった妹が!」
妹妹啊,曾经那个多么乖巧的妹妹!
「……まあでも、あなたが辞める前に株売っちゃえばいい話よね。」
……不过,要是在你辞职之前把股份都卖掉,那我就赚大发了。
「そこまでして遺産が欲しいの!?守銭奴め!」
你就这么想要遗产!?真是个吝啬鬼!
「もう……どうすりゃいいの……?」
啊真烦……到底该怎么办才好……?
「封筒貸して!他にも何か入ってるかもしれないし。」
把信封拿过来!里面可能还装了别的东西。
「えっと、『一枚目に書かれている内容は嘘だ。本当は二等分が良かったが、
呃,写的是:“第一张遗嘱上的内容其实是虚假的。平分确实是最好的解法,
もし一枚目を読んで長女が素直に受け入れ、かつ次女が抗議した場合、
不过,如果读过第一张遗嘱后,长女欣然接受、次女强烈抗议,
どっちも普段の行動と違いすぎて信用ならない。
这并不符合她们两人平常应有的行动,因此不能信任。
よって、私の所有する財産は全て慈善団体に寄付する』」
故,请将我持有的所有财产捐赠给慈善机构”
『ちなみに、この封筒には盗聴器が仕掛けられており、
“此外,信封上装有窃听器,
遺書の作成を依頼した弁護士が2人の会話を聞いている』
受托撰写遗嘱的律师此时正监听着两位的对话”
「やばい……。今までの全部聞かれてたってこと?」
完蛋了……。也就是说,刚才的话全都被听到了?
「…………姉さん!いやー、今日も見事に決まったね!」
…………姐姐!啊呀,今天也表演得非常出色呢!
「私たちが作ったショートコント、『姉妹喧嘩』」
我们创作的短剧,《姊妹阋墙》
「……あ!そ、そうね!迫真の演技だったじゃん!」
……啊!对,对啊!演得很真实啊!
「姉さんこそ!あの切り替わりっぷりはキングオブコントでも通用するよ!」
姐姐你才是呢!态度、语气的切换,简直都可以上《短剧之王》了! 「はい!♪ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンジャジャンジャジャ〜ン」
嗨!♪锵嘎锵嘎锵嘎锵嘎锵嘎锵嘎呷锵——~
「無理ね。あなたに至っては逮捕されるんじゃない?」
是不行呢。照你刚才搞这一出,怕不是要被抓走了。
「か、肝心なことは言ってないし、この弁護士を抱き込めば……。」
最,最重要的事情还没说呢,要是能拉拢那个律师的话……。
「……弁護士さん。聞いているんでしょう?」
……律师先生。你正在监听对吧?
「あなたもそれなりの依頼料をもらっているんでしょうが、それだけで満足ですか?」
父亲应当是给了你一点委托费的,但那么点钱你就满足了吗?
「10億ほどお支払いしたら黙っててもらえますか?」
我给你10亿,能不能就此打住呢?
「でも今はそれが頼もしい……!」
但是现在却又这么靠得住……!
「ですが弁護士として依頼を受けた手前、内容を無視するわけにはいかないでしょう。」
不过身为律师,既然接受了委托,就不能对内容置之不理。
「だからこの遺書は忠実に守ります。」
所以还是应该如实遵守这份遗嘱。
「え!?どういうこと!?それじゃ……、」
诶!?什么意思!?那到底……,
「ただし、『私の所有する全財産』の解釈を変えた上でね。」
但是,要更改对“我所持有的全部财产”的解释呢。
「姉さん、棺の中の父さんは?」
姐姐,棺材里的父亲现在是?
「手ぶら!せいぜいあるとしたらパンツ!」
两手空空!顶多也就穿了条内裤!
「そう!全財産=パンツとした上で遺書を忠実に守れば、
没错!只要在“全部财产=内裤”的前提下如实遵守遗嘱,
残った遺産は私たちのものだし、弁護士さんも業務上問題なし!」
那剩下的财产就是我们的了,律师执行业务也没有任何问题!
「随分やばい遺書を残した父親ってことになるわね……。」
这下老爹可留了一份很糟糕的遗嘱了……。
「お父さんは『自分が履いてるパンツを半分に分けて姉妹に分配したくて、
也就是说,老爹现在是“欲将所穿的内裤平分给两女儿,
それが叶わないならそのパンツを慈善団体に寄付したかった人』ということになるね……。」
若不可行则将其捐赠给慈善机构”的这么一个人……。
「あんなクソ親父がどうなろうと構わないでしょ?」
臭老登变成什么样也没有关系吧?
「案の定あなたもそう思ってたのね。」
果然你也是这样想的呢。
「このままじゃ2人とも何ももらえないんだし、協力しようよ姉さん。」
这样下去我们两个什么都得不到的,姐姐,我们合伙吧。
「ええ。本来の財産は弁護士への口止め料を引いた後で二等分ってことでいい?」
好。原本的财产扣掉给律师的封口费,之后我俩平分,OK吗?
「もちろん。じゃあ、遺書を見返してみよう。」
当然可以。接下来就再看一次遗嘱吧。
「一枚目は姉さんに全財産、つまりパンツを相続させた上で……。」
第一张写的是姐姐继承全部财产,也就是内裤……。
「その財産で私にワ◯ビーフを4袋買う。」
之后用那笔财产给我买4袋“芥末牛肉”。
「無理でしょ!死体が履いてる古ぼけたパンツでワ◯ビーフは買えない!」
搞不定的吧!拿着这条尸体穿过的旧内裤,怎么能买到“芥末牛肉”呢!
「あんなに安っぽく思えたワ◯ビーフがとてつもない高級品に感じる……!」
原本看起来很便宜的“芥末牛肉”,现在感觉就像是奢侈品一样……!
「あ。でも、一枚目は守らなくてもいいんでしょ?」
啊。不过,第一张遗嘱不遵守也没问题吧?
「一枚目を私が受け入れて、あなたが抗議したってことにすれば。」
只要我“欣然接受”、你“强烈抗议”。
「それだと姉さんが『死体のパンツでワ◯ビーフを買うことを受け入れた人』
那姐姐你就成了
ってことになるけど。」
“接受用尸体穿过的内裤买‘芥末牛肉’的人”了。
「あなただって『どうしてもパンツが欲しくてごねた人』ってことになるじゃん。」
那你不也成了“吵着非要那条内裤的人”了吗?
「めげずに2枚目の方を確認しましょう。」
先别泄气,再确认一下第二张。
『パンツは慈善団体に寄付する』
“将内裤捐赠给慈善机构”
「あ、でもこれも解釈次第だよ!」
啊,不过这个也有解释的余地哟!
「お父さんはどこに寄付するかを明記してないから、
老爹又没有明确写出要捐赠给哪里,
…‥私たちが慈善団体を作ってそこに寄付するだけでいいかも。」
……我们自己建立一个慈善机构,捐赠到那里不就好了。
「なるほど!でもパンツを欲しがる慈善団体って何?」
我明白了!但是有什么慈善机构会希望别人捐赠内裤?
「『パンツの人権を守る会』……?」
“守护内裤的人权之会”……?
「いや、パンツに人権はないでしょ!」
不是,内裤哪来的人权!
「でもそれくらいイかれた団体じゃなきゃおかしいもん。」
但这机构要是没那么神金才叫奇怪呢。
「姉さん、一緒に作ろう?」
姐姐,就一起把这个机构建起来嘛?
「苦労も二等分ってことで。」
这下连辛劳也一起平分了。
「これで私たち大富豪だね。」
这样一来我们就成了大富豪了。
「世間の目は冷たいだろうけど……。」
虽然大概会被世人冷眼看待吧……。
「あの人がお金でおかしくなってしまった気持ちが、今ならわかる気がするわ。」
我现在终于明白,为何他会因钱而发疯了。